今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

平成31年2月 立春を迎えるにあたり

 先ずもって 天皇皇后両陛下におかせられましては ご即位三十年という佳節をお迎え遊ばされ 奉祝の誠をお捧げ申し上げますとともに 皇室のご安泰 日本の国の弥栄え 世界そして宇宙の平和をお祈り申し上げます。
 宮中におかれましては 今月24日ご即位三十年のお祭りをご斎行遊ばされ これにちなみまして 当社におきましても 当日午前8時から お祭りをご祭行の予定でございます。
皆様方には ぜひともご参列賜りますようご案内を申し上げます。

 さて2月 いよいよ節分を迎える月となりました。節分の翌日は立春でございまして 暦の上でようやく春がやってきたという月廻りになります。
陰陽道で2月は寅の月であり 寅は始まりをあらわす干支で 文字通り春というのは東をあらわします。東とはすなわち お日様が昇る方位でありまして 1日の始まりであり 2月は特に1年の始まりと暦のうえではかように解釈致します。
節分の翌日は 立春で 「はるがたつ」と書きますが ハルと申しますのは 晴れやかな活動が続き そしてタツとは 高くあらわれ広くひろがりそして集う あるいは連なるという意味あいがあり ハルタツとは 春の活動的なさまがその日から始まり 続いていくと解釈ができるのです。
 また 節分のことを年越しと申しますのは いわゆる現行でいうところの大晦日が節分にあたるわけでありまして 現在も大晦日には大祓という1年間の罪穢れを祓うという行事を全国の神社で一斉に行います。皆さん方のご家庭では 節分に豆まきを行われます。この豆をまくというのもお祓いの行為に当たるわけでありまして 文字通り新しい春 暦の上での新年を迎えるにあたりまして 各お家お家では そういうお祓いの行事を行っておられるのです。これは日本の古くから伝わる伝統文化であり そこに日本人の古くから伝わる こころというものが存在するのです。
 今年はいよいよ御代替わりの年でございます。
天皇陛下におかせられましても ご歴代天皇様が受け継ぎ 守り 伝えてこられたものを未来永劫にお繋ぎ遊ばされます。私ども国民もこれに倣いて 日本の麗しき国柄 こころというものを日常生活において しかと受け継ぎ 守り 次の世代へ伝えていく義務があるかと存じ上げます。
 節分の行事のみならず 日本の国には四季折々にあわせた さまざまな行事がございます。昔の事となおざりにするのではなく この時代であるからこそよりいっそう 古くから伝わる伝統文化行事というものを今一度ここで見直して頂き どうか立春以降は 特に 古くから伝わる日本のこころを 再認識 そして実践して頂ければ何よりに存じます。

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