今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

平成28年4月 風が運んでくれるもの

樹々は芽吹き 鳥や虫が元気に動き出し 待ち望んでいたかのように桜も いっせいに咲きはじめた境内。この春 新たに ご入学 ご入社の皆様方 には 心からお祝い申し上げます。春の到来です。
では この春は 一体どこから誰が運んで来るのかご存知ですか? この時期 東の方から吹く風を東の風と書いて 東風(こち)と呼びます。 陰陽道で風は木気。木気は始まりを表し 方位は東・季節は春を意味します。  風は目には見えません。しかし あらゆる処でその力を発揮します。雲を吹き 払い 太陽の恵みを大地にもたらし 香りや季節を運び 時には植物の生育 をも手助けしてくれます。声が聞こえたり 話ができたりこれも風の作用に よるものです。
のように 目には見えなくても 力を注ぐことは 私どもの日常生活の 中でとても大切で尊い行いです。人が見ていなくても 神さまがいつも ご覧になっています。そんな時に 楽しく惜しげもなく精一杯の力を注ぐ 事こそ 神さまに好いて頂ける生き方の様な気がしてなりません。
風の神さまは いつでも どこでも 誰にでも 身近に感じる事ができます。 いつも風の神さまを感じながら 楽しく精一杯の力を注ぐ そんな生き方も 悪くはないと 存じます。春には春を 心で 身体で ご満喫ください。

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