今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

平成二十九年 例大祭 宮司挨拶

先ず以て、聖寿の万歳を寿ぎ奉り、皇室の御安泰と国家の隆昌
そして 地球の安寧を お祈り申し上げます。
 本日ここに、平成二十九年龍田大社例大祭にあたり、ご来賓各位をお迎えし、地元氏子の皆様方、全国各地より崇敬者の皆様方、多数の皆様方ご参列の元、厳粛且つ盛大裡のうちに祭典斎行出来得ました事は、大神様のご加護は元より、皆様方の熱き敬神の念によるものと、深く感謝申し上げますと共に、春・夏・秋の当社三大大祭を清き水の流れる如くに斎行するためには、欠くべからざる、岩瀬の杜の瀧祭を昨日、地元高山地区自治会の皆様方のお力添えを頂き、無事斎行出来ました事、この場にて重ねて厚くお礼申し上げます。
 さて今年は、丁酉歳です。暦の上ではひのとは、丁の字を用います。
陰陽道では、丁は暗やみに輝く炎を表し、人々の心のよりどころを意味します。
本日 ご参列の皆様方には、龍田の大神さまが、心のよりどころであり、それぞれのご先祖様もやはり皆様方にとって、心のよりどころでおありかと存じます。

先祖代々受け継がれ、守り、そして次の世代へ伝えてこられた、各お家お家の伝統・家訓・心があったればこそ、今日・今、皆様方がこの場に居合わせることができるのです。
言い換えれば、龍田の大神さまやご先祖様を、丁重にお祀りされてきたからこそ、逆に大神さまやご先祖様がご加護下され、安泰に過ごせるのです。
皆様方のお家同様、二千百年もの永き歴史のある龍田大社には、今もなお先人の熱き想いが、そして心が脈々と息づいております。一つには、龍田大社そのものであり、形として現存しているものは、鎌倉時代(八百年前)に建てられた旧拝殿・現在の神楽殿がそうであります。皆様方の左手後方、ブルーシートがかけられている建物がそうです。今、皆様方がお座りの拝殿は現在の本殿と共に、明治の初めに建て替えられました。つまり、神楽殿はもともと今皆様方がお座りの場所にあったものを、明治の初めに現在の場所に移築されたのです。
当時の技術での移築は、相当な困難を極めたのでありますが、当時地元氏子の皆様方はもとより、全国崇敬者の皆様方が、口をそろえて先祖が大切に守り伝えてきた建物を、是が非でも存続したいという熱望により、移築が実現したのであります。
この様に、先人の熱き心を、守り伝えるという事は、とても大切であり、尊いことであります。
しかしながら、戦後の教育は、百年先を見据え、本来の日本の誇りと大切な心を教えてはならない、つまり日本の国体・国がらを崩壊させるためのものでありまして、それは百年という間に皆が気づかないように、ジワジワとしくまれたのであります。そして、その効果もあり、最近の国内情勢が極めて不安定なのは、この教育により、大切な心を守り伝えることが、希薄になりつつあることが原因であると感じます。
今正に、このことに気づける皆様方が生きておられる間に、手立てを打たなければ、百年後の日本は、本来の豊かな心である民族性が 失われるでしょう。以上の事から、当社におきましても、解体修理が辛うじて行える限界に来ている神楽殿を、我々の先祖が大切に守り抜いた神楽殿の解体修理を発願致し、先日、責任役員会また氏子総代会でご承認を賜り、取り進めさせて頂く事に相成りました。
つきましては、斯様な時期に皆様方に、今後、ご奉賛を仰ぐ事と相成りますが、先祖が守り抜いたものを子孫に伝え、子孫の安泰を願うべく、その節には、何卒温かいご理解お力添えの程、伏して懇願申し上げます。
尚、今年の風の言霊は『一心』と題しました。
皆様方には、風の大神様のご加護を愈々頂かれまして、何事にも揺るぎない一心をお持ちになり、心豊かな一年をお過ごし下さいます様、心からお祈り申し上げます。

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