今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

令和三年 龍田大社 風鎮大祭
併せ 新型コロナウイルス早期収束協心祈願祭宮司挨拶

 先ず以て 聖寿の万歳を 寿ぎ奉り 皇室の弥栄と 国家の隆昌 そして 地球の安泰と惟神大宇宙の平和を お祈り申し上げます。
 本日ここに 龍田大社風鎮大祭併せ 新型コロナウイルス早期収束協心祈願祭にあたり ご来賓各位を お迎えし 地元氏子の皆様方 全国崇敬者の皆様方 多数の皆様方ご参列の元  厳粛且つ盛大裡のうちに 祭典を斎行出来得ました事は 大神様のご加護は元より 皆様方の篤き 敬神の念によるものと深く感謝申し上げます。
 既にご承知のこととは存じますが 本日の風鎮大祭は 年間一二〇回斎行致しますお祭りの中でも当社のご創建に関わる一大重儀とされており 朝夕の二度 七日間 つまり十四回のお祭りを斎行しなければ 本日を迎えることができません。二千百十年前当時 国内には疫病 凶作が続き 国内が騒然とした有様は コロナウイルスがまんえんしている現況と酷似しておりました。そこで 卜占により 風の神さまを この場所にお迎えし 国を挙げて丁重に祈りを捧げましたところ 無事平穏に戻ったというご縁起がございます。現代に比べ 医学の乏しい当時でも 二年足らずで疫病が収束したのは 当時の先人たち お一人お一人が深い祈りを捧げたからであります。
 コロナ流行から一年半 ワクチンも開発されましたが 未だ状況が悪化している有様を考えます時  コロナに対抗することに重きを置き 祈りの尊さがなおざりにされているからに他なりません。そしてその理由は 我が国の神話を知らないから 深く祈る意味すらわからない方々が 増えているからであります。 では なぜ祈りを捧げられない環境に日本が取り巻かれているのか。それは戦後の日本の教育が大きな原因となっております。
 日本を骨抜きにするため 日本人に日本の誇りと日本の神話を教えてはならないというのが 戦後の教育であります。そして マス・ソーシャルメディアをあたかも神話の如くとらえての 日常生活が営まれております。ここに二千百年前との大きな違いがあります。森羅万象は全て共生しており 先人はその中に神々を感じ得 生活の営みの中から生まれてきたものが我が国の神話であります。一方メディアは神代には 有事の際 皆が心を合わせて 世の中の平穏無事の祈りを捧げたなどの 我が国の歴史神話を報じることはなく 目の前に映る自分都合の情報発信であり これを信奉する人々は否応なしに自分さえよければの 自分都合の日常を営むことになります。これに反して 祈りと申しますと 宗教だと 敬遠される方がおられますが あらゆる宗教の根幹をなすものは 人々の幸せであり 人々が幸せになるようにと祈りを捧げるのは 全ての宗教の共通するところであります。特に神道は 昔から伝わる あらゆるものを受け入れるという やまと心を大切に抱きながら 日本人が歩むべき道を示すものであり その根幹は森羅万象との共生であります。人もコロナも然り。
 人類が 今 唯一共有できるのは 祈りとコロナであります。コロナ早期収束を祈りつつ 本日 祈り合わせにご参列の皆様方には心から感謝申し上げまして 2111回目の風鎮大祭の御礼のご挨拶と致します。

過去の講話一覧